皆様こんにちは!フラスタ専門ショップ F2Oの佐藤です。
いきなりですが皆様「花言葉」や「誕生花」ってご存知でしょうか?
「んなもん知ってるよ!バカにすんな」といった言葉が聞こえてきそうですが、今日はそんな「花言葉」や「誕生花」について思うことを花屋目線でツラツラと書いていきたいと思います。
良くお客様から
「●●って花言葉の▲▲って花を入れて欲しいです!」
とか
「推しの●●さんの誕生花を是非入れてほしい!」
なんて問い合わせや要望を頂くことがあるのですが、実はこの「花言葉」や「誕生花」って言葉、我々花屋からすると、ビクッ!!ってなる超センシティブなワードなんです・・・
なんで?って思われるかと思いますが、結論からざっくり言ってしまうと「それフラスタには入れるの無理!!!」って事が多いんです。
(感覚的には97%以上は無理なケースかと、、、あくまでも感覚的にですよ)
じゃーなんで、無理になるのか?ってことなんですが、理由は大きく2つあります。
① 切花として生産・流通していない
② 形状や性質の問題でフラスタに使いにくい
① 「切花」として生産・流通していない
この理由がダントツで多いですね。
というのも、世の中にある草や木、花の中で、フラスタに使用できる「切花用」として生産・流通されていてる花っていうのは、実はごぐごく一部の限られた品種のみだからです。
じゃーそれ以外はどんな花(草や木)かっていうと
「山や道端なんかに自生していて、わざわざ生産している農家なんていない花」
だったり、
「切花での鑑賞には超絶不向きな性質なので、根っこが土に埋まった鉢植えの状態じゃないと流通出来ない花」
だったり、
「ほとんど市場に出回らない超絶マニアックな花」
とかが大部分を占めている状態で、平たく言ってしまえば、「普通花屋にそんなの無いよ!」ってものばかりなんです。
切花の形で流通しているものでも、今の時期は流通していない!なんて状態にも割と高頻度に直面します。
花言葉の本やウェブサイトに掲載されている花の数々は、当然こんな花業界の都合なんてお構い無し作られてますから、そんな中から「この花使ってほしい」と指定されても「いやちょっと厳しいです。。。」になる確率がめちゃめちゃ高いのです。
② 形状や性質の問題でフラスタに使いにくい
切花でも流通していて、なおかつ時期的にも問題ない!となっても、【形状的理由】と【性質的理由】があり使用できないことも非常に多いです。
【形状的理由】
フラスタの魅力ってやっぱり、外に飾っても、遠くから見ても目立つあとダイナミックさだと思うんですけど、そんなフラスタを作るには、当然ながら花にある程度長さとかボリュームが無いと映えないんですよね。
でも、お花の中には花首が10cmや20cmの小さくてかわいいお花っていうのもたくさんあって、楽屋花やブーケなんかにはギリギリ使える長さだったりしますが、フラスタに入れても正直、
「入っているんだか、入っていなんだか全然わかりませんけど!!!」
ってゆー状態になってしまい、お金をかけた割には。。。。てなことになってしまいます。
(それでも「入っていることに意味がある!」というのであればお入れするのはやぶさかではありませんが、、、、)
【性質的理由】
切花には花瓶の水を「上手に吸い上げることができる花」と、「上手に吸い上げられない花」があって、この「上手に吸い上げられない花」っていうのがフラスタに超絶不向きなんです。
水をうまく吸い上げられないと、茎や花首がぐにゃんぐにゃんになって、萎れる原因になるんですけど、花瓶の水より水を吸い上げにくい吸水性スポンジに挿して作るフラスタなんかだと、もう納品後には残念な姿になる可能性がめちゃめちゃ高くなるので、そんなお花を入れても我々花屋的には単なるクレームの原因になるので正直使いたくないんです。。。。。
(皆様もせっかく贈ったフラスタがヘナヘナになっているのは嫌ですよね??)
他にも開花している期間がたった1~2日な花があったり、開花の調整が難しくて、フラスタにいれたらただ枝が出てるだけみたいな花もあったりしますので、これらも制作工程を考慮すると不向きな花となります。
最後に
花言葉を意識する方には水を差すような話になりますが、花言葉って全世界花言葉協会みたいな団体が「この花の意味は絶対にコレね」みたいな感じで、根拠があって厳密に定めているものじゃなくて、「日本ではこんなニュアンスでつかわれる事が多いよねー」ぐらいの、結構緩いものなんですよ。なので、国によっては全く違う意味だったり、両極なふたつの意味を持つ花があったり、なんだか意味合いが多すぎる花があったりと様々あるわけです。
なんでそんなことが起こっているかというと、花言葉が日本に到達するまでの経緯にあるんです。
花言葉の起源については諸説ありますが(17世紀頃のトルコという説が一般的)、文化や宗教や言語が違う色々な地域で、色々な時代に、色々な人々が、色々な感性でつけたもの色々増えてきて、それがなんとなく広まって、
200年ぐらい前にそれらをまとめた花言葉の本がフランスで大流行になって、
それが明治時代に日本の風土に合わせて、翻訳(異訳)されてやってきたので、
かなり偏って伝わっている場合が多いんです。
気持ちを花にこめる花言葉という文化自体は個人的にはロマンチックで素敵だなと思うんですけど、フラスタ制作に限って言えば、正直実にならないケースの方が多いので、花言葉を使ったフラスタのアイディアを考える際はくれぐれもご注意いただきたいなって思ってます。
余談ですが、花関係者から見たら「いやいやこれ変でしょ!」なんて情報が平気で「まとめサイト」なんかに書かれていることも多いので、情報を収集される際にはお気を付け下さい。
以上、フラスタ専門ショップF2Oの佐藤でした。
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